2015年3月15日日曜日

Story of Kerala

南インドケララ州 4

バックウォーター (Back Water)

1. ハウスボート乗り場 (Boat Jetty)

 ハウスボートクルーズで有名な場所は、アラプッザ(Alappuzha)、コラム(Kollam)、
 コッタヤム(Kottayam)、コチ(Kochi)やクマラコム(Kumarakom)などがあるが、
   ハウスボートの保有数ではアラプッザが最も多い。
 これらのボート乗り場の中で規模の大きいアラプッザはコチから約70km、
 コラムはトリヴァンドラムから約70kmの距離で、車で1時間半程度だ。
 バックウォーターのある地域は全て自然が豊かだが、特にクマラコムには
 バードサンクチュアリがあり、比較的小さな木造のボートでバードウォッチングを
 しながら狭いクリークなどをクルーズすることができる。

コラム市内 (Kollam City)

コラムのボート乗り場 (Kollam Boat Jetty)

アラプッザのボート乗り場 (Alappuzha Boat Jetty)

2. ハウスボート
 ハウスボート(Kettuvallam)はジャックウッド、竹、ヤシやビンロウジ等を用いて
 作られている。
 ジャックウッドをヤシのロープで組合せ、金属製の釘を使わないで
 仕上げるのが特徴だ。水の侵入を防ぐために船底や船腹の板の間に
 ヤシの繊維を詰め込み、カシュナッツの樹脂を塗って防水加工をする。
 舟全体が自然素材でできている頑丈な構造だ。
 ハウスボートは長時間のクルーズができるように、バルコニーの他ベッドルーム、
 水洗トイレ、キッチンなどを備えている。

ハウスボートの建造

ボートからの眺め

3. ハウスボートクルーズ
 ハウスボートに乗って、3〜4時間から数日に渡ってクルーズすることができる。
 最も長い航路は、コラム(Kollam)ーアラプッザ(Alappuzha)間で約80kmである。
 ハウスボートは波のない湖や川をゆっくりとゆく。直射日光はヤシの屋根で遮られ
 また風が穏やかにデッキを通り抜け涼しい。岸辺には村々が点在し、
 家の庭には洗濯物や牛の姿を見かける。
 バックウォーターの水面と、はるか彼方までヤシの樹で覆われた陸の光景が広がる。
 昼食時にはハウスボートは木陰に停泊し、時間をかけて食事を楽しむ。
 ティータイムは紅茶とちょっと変わったバナナの揚げ物が一緒に出される。

水辺の風景

ボートでの昼食


ちょっとインフォメーション;

○ バナナ
  ケララはヤシの樹に覆われていますが、ヤシの下にはたくさんのバナナの木
  (厳密にはバナナは草本)が栽培されています。
  日本では見かけない赤い皮肌の大きなバナナは、しっかりとした歯ごたえと
  少し酸味がありとてもおいしいものです。
  バナナはまだ青いうちに房ごと収穫され、1週間ほど店頭につるされて熟してから
  売られます。スーパーでも買い求めることができますからぜひ味わってみてください。

バナナ畑

○ ビール
  ハウスボートクルーズでは、さわやかな風を受けてビールをジョッキでいただくのが
  最高です。ビールはなんといってもインドを代表するキングフィッシャービール。
  日本のインド(あるいはネパール)料理店にある小瓶ではなく大瓶でいきましょう。
  ちなみに酒類販売許可のない海辺のレストランなどでは、コーヒーのマグカップで
  ビールを飲むこともあります。

キングフィッシャー

○ ジャックツリー
  木の建造物に多く使われるジャックツリー、その果実は巨大で何とも不思議な姿で
  なっています。写真で見るように果実は木の幹に直接ついてぶら下がっているのです。
  収穫期になるとジャックフルーツを荷台に山盛りに積んだトラックが道路を
  頻繁に往来しています。フルーツは硬い外皮の中の房にある実を食べるそうです。

ジャックツリー


  Reference; keralatourism


2015年2月27日金曜日

Story of Kerara

南インドケララ州 3

西ガーツ山脈 (Western Gahts)

1. ヒルステーション (Hill Station)

 ○ ポンムディ (Ponmudi)
  ポンムディは州都トリヴァンドラムから、北東方向に約1時間半くらいの所にある。
  距離はそれほどでもないが、途中から山道になるため少し時間がかかる場合もある。
  西ガーツの麓に来ると、ココナツやバナナの林の他に、
  ゴムのプランテーションもよく目につくようになる。
  頂上近くは樹の少ない草原になり、360度の眺望が開ける。
  ヒルステーションのレストランで食事をとり、またベッドのある部屋を借りて
  休憩することもできる。レストランは大勢の人達でにぎわっている。






2. ティープランテーション (Tea Plantation)

○ ムナール (Munnar)
 ムナールは広大なティープランテーションがあるケララの中でも有数の観光地だ。
 トリヴァンドラムからは遠く、車で5時間程だがコチからは車で約3時間である。
 2000m級の山々の中に茶畑、滝や美しい湖などが点在する景観は壮大である。
 ティープランテーションの中には紅茶の販売店があり、幾種類かの紅茶や有機栽培
 の紅茶をお手頃な値段で買い求めることができる。
 山岳の麓のバスターミナルの付近には、レストランやスパイスの小売店も多く買い物を
 楽しめる。







3. ワイルドライフサンクチュアリ (Wild life Sanctuary)

○ ネイヤール (Neyyar Reserver)
 インド全土で515カ所のワイルドライフサンクチュアリがある中で、
 ケララ州には13カ所のワイルドライフサンクチュアリが指定されている。
 サンクチュアリのなかにはタイガーリザーブのある地域もあり、
 ケララでは、PeriyarとParambikulam Tiger Reserveの2カ所がある。
 ここで紹介するネイヤールワイルドライフサンクチュアリはトリヴァンドラムから
 比較的近距離の西ガーツ山脈の南側にあるサンクチュアリだ。
 トリヴァンドラムからインド陸軍のベースキャンプを通り、車で約1時間行くと
 ネイヤール川をせき止めたダムに到着する。その奥のネイヤール川上流域にかけて
 128K平米の地域が保護区である。
 そこにはインディアンクロコダイル (Muggar Crocodile)の飼育場があり
 見学できるが、静かに横たわっているワニが多く、10数分の見学ですむほどだ。
 このサンクチュアリには、ニルギリランガー ( Nilgiri Langer )、
 ニルギリアイベックス ( Nilgiri Tahr )、鹿や熊の他に象、豹や虎などが生息している。





ちょっとインフォメーション;

○ 紅茶;Tea
  ムナールはニルギリ(ニルギリティーが有名)の南側に続く南インド最大級の
  ティープランテーションのある所です。
  紅茶のブランド名はカナンディヴァンで巨大企業 TATA傘下の会社が運営するプランテーションです。
  紅茶の色は濃いめですがすっきりとした味わいが楽しめます。
  チャイに使われるパウダータイプのものと、ちょっと細かめのリーフタイプが
  あります。あまり重くないのでいくつか買って一年中楽しむと良いでしょう。
  (カナンディヴァンの紅茶は都市部のスーパーでも買うことができます)




○ スパイス;Spice
  ケララの山岳地は、スパイスの一大生産地です。
  コショー、クローブ、クミンシード、ターメリック、クラッシュドチリの他カルダモンなど
  フレッシュなスパイスが揃っています。
  都市部などでもスーパーや専門店でスパイスを買うことができますが、
  やはり生産地が一番、カルダモンは緑色で大粒のものを買い求めることができます。
  コショーは比較的安いものですが、カルダモンはコショーの6〜8倍の値段です。
  日本の家庭では使い道は少なく大量には必要ないでしょうが、
  コショーで500g、カルダモンなら250gくらいあれば料理などに使って
  長い期間楽しめると思います。
  スーパーではパッケージで買うことができるので、お土産に利用しても良いでしょう。



○ インドライオン; Asiatic Lion
  インドは驚く程人口が多い国ですが、インドにしか残っていない絶滅危惧種の動物も
  たくさんいます。
  象( スリランカや東南アジアにも生息 )、サイ、虎、豹、雪豹などですが、
  ライオンもその中のひとつに数えられます。
  インドライオンはかつて中東からインド東端にかけて広く分布していましたが、
  20世紀初頭には、メソポタミア地域やイランなどで絶滅してしまいました。
  インドでも東側の地域では既に絶滅し、グジャラート州の
  Gir Forest National Park にわずか411頭が生息しているだけです。
  ベンガル虎も1970年代には、インド全土で1,800頭にまで激減しましたが、
  インド政府がプロジェクトタイガーを立ち上げ、インド各地にタイガーリザーブを設けて
  保護に努めた結果、現在は2,300頭程に回復してきているということです。
  絶滅の危機を招いたのはすべて人間の手によるものです。 

インドライオン Sumeet Moghe 撮影

ベンガルタイガー sbj1976 撮影


2015年1月12日月曜日

Story of Kerara

南インドケララ州 2

   

 代表的な都市 ( Main City )






 1. トリヴァンドラム ( Thiruvananthapuram ; Trivandrum ) 

   トリヴァンドラムはケララ州の中心都市である。
   都市圏の人口は約270万人で、州政府官庁や議会場などの建物が集中している。
   空港はトリヴァンドラム国際空港で、市の中心から車で40分程の
   海岸沿いにある。この空港の主な国際航空路は、シンガポール、スリランカ、
   モルディブや中東のドバイなどである。
   また国内はコチ、ムンバイ、デリーやチェンナイなどの航空路がある。
   遠隔地への移動は飛行機の他にバス、車、列車だが市内の移動は
   バスやタクシーの他、手軽なオートリキシャがあり、市民が手軽に利用する
   乗り物のひとつにになっている。
   市内の観光スポットは街の中心地にあるプーテン・マリガ ( Puthen Maliga Palace )
   スリ・パドマナバー・スワミー ( Sree Padmanabha Swamy ) 寺院、
   ナピエール ( Napier ) 博物館と動物園、 少し離れた市の郊外には
   世界的に有名なコヴァラムビーチ、西ガーツ山脈の中に
   ネイヤール・ワイルドライフ・サンクチュアリ(車で1時間半)などがある。
   また隣の州 ( Tamil Nadu 州 )になるが市内から車で2時間半ほどで 
   コモリン岬 ( Kanyakumari )に行くことができる。
   トリヴァンドラムは、教育機関や近代産業の施設も充実していて、
   ケララ大学をはじめいくつかの工科大学などが市内にある。
   また近郊に広大な敷地を持つテクノパークがあり、欧米の企業やIT関連企業が
   活動をしている。




駅前のバスターミナル ( Bus Terminal )



プーテン・マリガ宮殿 ( Puthen Maliga Palace )


スリ・パドマナバー・スワミー寺院 ( Padmanabhaswamy Temple )


西ガーツ山脈 ( Western Ghats )


テクノパーク ( Techno Park )


 ちょっとインフォメーション;

 ○ 市内での手軽な乗り物オートリキシャ
   デリーなどの大都市ではタクシーなどは注意が必要ですが、
   ケララの乗り物は比較的安全です。
   オートリキシャの乗車運賃は距離によりますが3〜4Kmで20〜30ルピー程度、
   チップ( 10ルピー程度 )をいれても40ルピー程で日本円換算で約80円なので
   市内の少しの外出には重宝します。メーターはついていても計測している
   様子がないので、乗る前に行き先をつげ料金を確かめるのが良いでしょう。



オートリキシャ ( Auto Rikisha )


 ○ 交通事情

   ケララ(インド)の道路はたくさんの乗り物であふれています。
   バス、トラック、タクシー、乗用車、バイク、オートリキシャ、自転車、人 
   そしてたまに牛や象などが往来しています。
   決まりはないのでしょうが、見ていると何となく速度の順で優先度が
   付けられているような気がします。また速い乗り物は追い越しの際に常に
   クラクションを鳴らしていきます。日本人には街中はクラクションの騒音だらけ
   のように感じます。

   道路の往来で最も注意が必要なのは徒歩で街中の道路を横断する時です。
   横断歩道や信号が少なく、車やバイクがひっきりなしに流れていますから、
   思わず全力で駆け抜けたい気持ちになりますが、ケララの人は走りは禁物と言い、
   車やバイクなどがかえってよけにくいそうで、注意しながら合間を
   早足で通り抜けるとよいそうです。
   日本人には慣れていなく難しいのでなるべく乗り物を利用しましょう。



市内の混雑 ( Crowd on the Street )


 2. コチ( Kochi )

  コチはケララ州の商業都市といわれ、トリヴァンドラムに継ぐ大都市だ。
  古くから港湾が整備され、香辛料の取引などが盛んに行われてきた。
  現在、コチの北側の海岸には新しい港湾が整備されており、
  ムンバイに並ぶ大規模な港湾になると期待されている。
  香辛料の取引は莫大な利益をもたらしたため、ポルトガル、オランダや
  イギリスなどに統治された歴史も持っている。
  そのため、ケララはヒンドゥ教だけではなく、イスラム教やキリスト教などの
  信者も多く、古いヒンドゥ寺院の他にコチ近郊には古い著名な教会がいくつかある。
  コチ市内では、フォート・コチ地区にあるヴァスコ・ダ・ガマゆかりの
  聖フランシス教会が有名である。
  コチ国際空港は国内はもちろんシンガポールや中東などとの航空路があり便数も多く
  運行されている。(シンガポール便;シルクエアーは毎日1便運行している)
  コチの見所は、植民地時代のダッチパレスやユダヤシナゴーグなどの歴史建造物の
  ほかに、フォートコチの夕どきの風景(アラビア海の夕焼け)その風景の中にある
  チャイニーズフィッシングネットなどだ。また市内の数カ所で、伝統舞踊カタカリが
  演じられている。



コチ国際空港 ( Kochi International Air Port )


エルナクラム地区からの港の眺望 ( View from Ernakulam )


チャイニーズフィッシングネット ( Chinese Fishing Net )


聖フランシス教会 ( Church of St. Francis )


シナゴーグ ( Synagogue )


フォートコチ ( Fort Kochi )



 ちょっとインフォメーション;

   ○ 聖フランシス教会とヴァスコ・ダ・ガマ
    インドで最も古い教会の聖フランシス教会にはヴァスコ・ダ・ガマの墓があります。
    ヴァスコ・ダ・ガマは、インド航路を発見した英雄となっていて日本でも有名ですが
    それは母国ポルトガルから見てのことで、インドにとっては所詮
    侵略者の一人であると評価されているようです。
    インド映画の中では交易の利益を求めるポルトガル人提督として登場していました。
    諸外国に支配されたインドの歴史も長く複雑なので、古いインドの歴史と共に
    植民地時代のインドを少し知っておいた方がいいと思います。


ヴァスコ・ダ・ガマの墓 ( Tomb of Vasco da Gama )

2014年12月27日土曜日

Story of Kerala

 南インド ケララ州




















1.ケララ (Kerala) 概観


 ケララ州はインド南西部にある、東に西ガーツ山脈 (Western Ghats)
 西にアラビア海を望むマラバル海岸 (Malabar Coast)と
 海岸沿いに多くの湖や河川からなるバックウォーターが続く自然豊かな州である。
 ケララは古くからアラビアや地中海とのスパイス交易が盛んであったため
 ヒンズー教徒の他にイスラム教徒やキリスト教徒の人々も多い。
 また古くからの芸能、祭祀やアーユルヴェーダなども大事に受継がれ今に伝えている。
 州都はティルヴァナンタプラム (英語名: Trivandram)で、この都市は州の南部にあり
 インド最南端のコモリン岬に近い所に位置する。
 この他に主な都市は、商業都市コチ (Kochi)、文化都市のスリスール (Thrissur)や
 コーラム (Kollam)、コジコード (Kozhikode)などがある。
 ケララはマラヤラム (Malayalam)を話す人達の州であり
 この言葉は東隣のタミルナドゥ州で使うタミル語と共に、サンスクリット語を
 ベースとする古い言語とされている。
 Keralaは”椰子の生い茂る土地”という意味で、実際に州の都市近郊から山岳地にかけて
 ココナツの樹林に広く覆われている。

西ガーツ山脈: Western Ghats
バックウォーター: Back Water
マラバル海岸: Malabar Coast
ココナツの樹林(トリヴァンドラム): Trivandrum City


2.ケララの気候
(1) モンスーン気候 ( Monsoon Climate )
 ケララは北緯10度の位置にあり、東側の州境に西ガーツ山脈が連なっていて
 6月の南西の風(アラビア海から)、10月の北東の風(ベンガル湾から)の
 季節は雨の多いモンスーン気候だ。  
 雨は南西風が吹く6、7、8月に多く、ついで北東風が吹く10月が多い。  
 6月から10月が雨期となる。  
 11月から4月は雨の少ない乾いた季節で、12月〜2月が観光シーズンの
 ピークとなる。この季節はビーチで遊び、ホテルのプールサイドでゆったりと  
 過ごすのもお勧め。  
 日が暮れてからはホテルの庭で夕食をとったり、ビーチサイドやビルの屋上の
 レストランでビールを飲むなど南国の気分を楽しめる。

(2) ケララの気温 ( Temperature in Kerala )           1月   2月  3月  4月  5月  6月  7月  8月 9月 10月 11月 12月 平均最高気温 (℃)  28       30      31      32      34       34      30      29      29      30        30       31  平均最低気温 (℃)  22       23      24      25      25       24      23      23      23      23        23       22  降雨量 (mm)      9        15      30     110     240     650    726    420    244    292     151      38

気温は5月6月が高く、8月9月と1月が低い気温である。高地では平地に比べ 
気温が4〜5℃低くなるので、ケララの人達は山岳地を観光する場合、 少し厚手の長袖の上着を持っていく。 降雨量は6、7、8月と10月が多く、年間で130日前後の雨の日があるそうだ。 外の観光は少し適さないが、この雨期にはマンゴーやジャックフルーツが大きく育つ 恵みの季節でもある。
 ちょっとインフォメーション;
 ○ 乾期の季節、熱い昼はあまり外出しない方が良いでしょう。  インドの女性たちは肌をあまり露出しない服装をしています。  ビーチでは女性はサリーのままで水浴をし、水着で泳ぐ人を見ることはめったにありません。  そういうこともあって、水着姿の観光客めあての男たちがうろついていることもあります

   ○ 乾期でも少し雨が降る場合があります。その時に旅行者を悩ませるのが蚊です。 インドの蚊は夕どきから現れ目に触れにくく、弱々しく飛ぶためあまり刺される恐れを感じさせませんが
 しつこくて日本人がよく刺されます。 蚊に弱い方は、携帯の蚊とり器や、虫除けクリームなどを持参すると良いでしょう。 夜のガーデンパーティも楽しめます。